運動器AIシステム開発学講座

運動器とAIシステムについて

体を動かすことに関係する骨、筋肉、関節、神経などは「運動器」と呼ばれ、背骨や足の付け根(大腿骨頸部)の骨折をきたす骨粗鬆症、関節軟骨/椎間板の変性からおこる変形性関節症/変形性脊椎症、背骨の疾患である脊柱管狭窄症、筋肉の減少からおこるサルコペニアなどが、その主たる病気です。これらの病気の診断・治療の質を高めるための技術としてAIが着目されており、例えば、AIを用いたレントゲンやCTの画像診断補助も2022年度から保険適用されています。
AIシステムを作り上げていくためにはデータの学習が必要となりますが、近年の技術的な進歩によりコンピュータが自分自身で大量のデータを学習して精度を向上させていく深層学習(ディープラーニング)が、開発の主流となっています。ディープラーニングは、ニューラルネットワークという人間の神経細胞の構造を模したアルゴリズムをベースとしており、情報を劣化することなく抽象化を行う方法なので、人間では見つけられない病気の診断ができる可能性もあります。AIシステムが、問診・診察・生理学的検査(血液、尿など)・画像(レントゲン、超音波、CT、MRIなど)などから、スクリーニング・診断・治療のアシストをすることにより、より質の高い医療を提供し、健康寿命の延伸に寄与することが期待できます。

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