• 寄付講座関節機能再建学講座
  • 社会連携講座運動器AIシステム開発学講座

MESSAGE

ご挨拶

骨、関節、軟骨などの運動器の病気は、日常生活動作(ADL)を制限したり、生活の質(QOL)の低下の原因となるため、よりよい予防、診断、治療方法が求められています。

関節機能再建学講座は、この課題の解決を目標に、2008年1月に高取吉雄先生が開設した講座です。私たちの研究室では、医学とマテリアル工学との連携などを通じて、様々な研究開発、実用化を行ってきました。例えば、日本発の独創的な人工股関節を2011年に実用化しましたが、これまでに約9万件の手術で使用されており、現在、海外での実用化に向けた手続きを進めています。

情報工学の観点においては、医療情報の電子化が急速に進み、膨大な情報の収集・活用が容易になったことが近年のトピックです。私たちの研究室では、人工知能(AI)を活用して、これらの情報を基に運動器の病気の予防・治療に貢献する運動器AIシステムを研究開発してきました。例えば、「X線写真から骨密度(BMD、YAM、T-スコアなど)の推定値を演算して骨粗鬆症のスクリーニング・診断を行う」という画期的な独自技術(特許取得済)を搭載したAI骨粗鬆症診断補助システムも、実用化に向けた手続きを進めています。

私たちは、医療情報ビックデータベースの構築から研究開発、そして実用化をより確実かつ速やかに進めるため、2023年5月1日、運動器AIシステム開発学講座を開講しました。関節機能再建学講座で培った医工連携の研究開発、実用化の経験をいかし、学内の整形外科・脊椎外科学講座をはじめとした医学系の研究室と工学系の研究室、さらに学外の研究室と連携することで、最善の診断・治療を提供するとともに、超高齢社会の中、予防にも重点を置き、健康寿命の延伸に努めます。

2023年5月
関節機能再建学講座 特任教授 茂呂徹
運動器AIシステム開発学講座 特任准教授 岡敬之